西暦2133年の春、未曾有の「寒波」が世界を席巻し、終わりのない「猛吹雪」とそれが生む「雪晄」が降臨した。「雪晄」を浴びた人類は少しずつ記憶と意識を失い、深い眠りに陥り、昏睡のまま命を落とすことになる。 人類社会を維持するために、連合政府は避難所を建て、避難所を維持するために自動地上物資輸送ネットワークを作り上げた。

西暦2150年、連合政府がスーパーコンピュータで、「猛吹雪がもたらす嵐はまた新たな爆発時期を迎える」と予言した。大規模なパニックが再び人類社会を混乱に陥れ、多くの避難所が内側から崩れ去った。 一方、現代の科学技術ではこの災いを防ぐ事ができないと連合政府は判断し、「プロジェクト：スノウ」を始動した。 「プロジェクト：スノウ」の基盤として、太平洋の赤道付近にある人工島で、人類は正式に「イザリア」の開発を始めるようになった。

2174年11月、連合政府はイザリアの始動を正式に宣言する。 適正を持つ人類はノードシティの地下の集中休眠エリアに入り、休眠と霊子化を行った。 精神、意識、記憶は霊子データと化し、「霊子データベース」に保存され、イザリアの世界へと降り立つ。 それと同時に、連合政府は防衛警備隊を結成し、人工知能と警備隊を通して連結都市と霊市中枢を守っている。 これを境目に、人類は2つの世界を選択する事になる…… 現実世界とイザリアを。

今のイザリアにおいて、最も輝かしい中心部がエルトリスである。イザリアの繫栄は、人類が定着するには申し分なく……己の生活、夢、希望を取り戻した……エンタメ、仕事、人付き合い、恋愛、ここでは皆実現した……すべてがここからリスタートし、新たな生活という甘い夢が、凍った現実と滅亡の痛切さを忘れさせた…。 しかし、この穏やかな繁栄は長く続く事はなかった。外部からの侵略、人類同士のわだかまり、更には人類と異格者の衝突....小さな綻びがイザリアに大きな亀裂を生むこととなる。